殴られ蹴られる。虐待に怯えながら過ごした幼少期の話をしよう。後編
前回の悪夢は、一度では終わらなかった。
暴行は時々行われていた。
時刻は必ず夕方。
おそらく学校から帰宅してからの犯行だったのだろう。
わけもわからず叩かれ、蹴られ、
しかし幼児には抵抗する力が無かった。
「まわりの大人は見ていなかったの?」
そう考える人もいるかもしれない、
しかし少なくとも誰かが助けてくれた記憶はないし、
彼女は人が通ればもちろん暴行をやめ、「〇〇ちゃん大丈夫~?」なんて声をかけて私を起き上がらせるので(通行人が居なくなった途端に突き飛ばされるけど)
近所の人たちからすれば面倒見の良いお姉さんが転んだ小さい子を起き上がらせているようにしか見えず、この暴行は問題にはならなかった。
毎回ぼろぼろになって泣きながら帰宅する私を見て
母が驚いて事情を聞いてくれたが、
「あんなに大人しそうな子が?」
と、母も暴行に対しては半信半疑。
ただ幾度も被害にあって帰ってくる私を見てさすがに心配になり彼女の家に電話をしたらしいが、彼女の母親もたいして取り合ってくれず解決には至らなかった。
小学校にあがるころには、
暴行はだんだんと落ち着いていった。
あとからわかったことだが
彼女はバツイチの母に女手一つで育てられ、母親は遺産目当てで老人と再婚して、私たちの住む地域にある今の家を与えられたそうだ。
私が中学に上がるころに引っ越していったが…
それまでは、本当に恐ろしくて仕方なかった。
という実話でした。
子供による幼児虐待。相手は14歳。
その当時は少年法に守られたかもしれないけど、今だったら罪に問えたのかな。